みなさん、暑い夏をいかがお過ごしですか?
ちょっと前のご報告ですが、7月2日(土)に下北沢 SEED SHIPで行われた「きこえる・シンポジウム2011夏」に行ってきました。
このイベントは、おひさまスタイルでブログを書いてくださっているHARQUAのお2人が年に2回、夏至と冬至のキャンドルナイトの時期に合わせて行っているもので、今回で8回目になります。 前回は金沢で行われ、その前は高尾山でのエコハイクだったため、東京での開催は久しぶり。会場は満席で、立ち見も出るほどでした。
シンポジウムは、ハルコさんのピアノをバックに、キンカさんの朗読でスタートしました。
心に響くことばだったので、朗読された本とCDを紹介しますね。
『木の一日』高橋順子(『あさって歯医者さんに行こう』)
『この街のほろびるとき』安藤元雄(『やさしい現代詩』)
『夏至』(『にほんのいきもの暦』 (財)日本生態系協会 著)
『暮らしの窓』(Quinka,with a YawnのCD 『Field Recordings』)
HARQUAのライブはもちろんですが、すてきなゲストを招いてのトークも毎回の楽しみとなっています。
この日のゲストは、環境ジャーナリストの枝廣淳子さん。
そして、「きこえる・シンポジウム」ではすっかりお馴染みの進行役ともいえるエディターの山村光春さんです。
今回のトークでは、会場のみなさんに、2つの問いが書かれたアンケートが配られました。
Q<コンセントのこちら側>あなたにとって幸せとはなんですか?
Q<コンセントの向こう側>あなたと世界をつなげる幸せなエネルギー は何が良いと思いますか?
*来場したみなさんが書いたアンケートは、ハルコさんのオフィシャルサイト「ハルコレート」にアップされていますので、読んでみてください。
3.11以降、私たちにとって大きな問題となったエネルギー(電力)のこと。
電気は、私たちの生活にはなくてはならないものだし、スイッチをONすれば、すぐに使える便利なものですが、コンセントの向こう側、つまり、どのようにして電気がつくられているかまでは、なかなか考えられませんでした。
枝廣淳子さんは、今回の震災後、インターネットで1000人にアンケートをとったところ、4人に3人はエネルギーに対しての意識が変わったという結果だったそうです。
福島第一原発の事故は、いまも大変な被害をもたらしています。でも、この原発でつくられる電力は、福島の人たちが使うのではなく、首都圏で使われてきたのですよね。
いま、私たちが考えたいのは、“電気の量”と、電気は何でつくられるのかという“電気の質”のこと。
「電力量の話で言えば、30年前と比べると、私たちの使う電力量は2倍になりました。でも、1981年の暮らしが貧しかったかと言えば、そんなことはないですよね」と枝廣さん。
家の中を見回すと、どれほど家電製品が増えたことか。街がどれだけ明るくなったことか。
ひょっとしたら要らないものもあるのかも!?
“しあわせにつながる電気”“しあわせにつながらない電気”という考え方も面白かったです。 たとえば、
家族が集まる団らんの時に使う電気=“しあわせにつながる電気”
誰もいない部屋で点いている電気=“しあわせにつながらない電気”
次々と発売される家電製品や、街のあちこちにある電光掲示板、スーパーの商品棚の照明…。
電気製品で溢れかえった生活を、
「かゆくないところまで、かいてくれていた生活」
山村光春さんが、そんなふうに表現していたのが印象的でした。
そこで、枝廣さんは、私たちにできることのひとつに「アンペアダウン」があることを教えてくれました。
家の契約アンペア数を50A→40Aに、40A→30Aに、というようにアンペア数の契約を変更するのです。
電力会社に相談すれば、無料でコンサルティングと工事をしてくれます。基本料金が安くなるうえに、ブレーカーが落ちないようにするために節電意識が高まります。ちなみに、枝廣さんは、30Aにダウンする予定とのことでした。
次は、“電気の質”の問題です。
原発の事故が起きて、日本でも自然エネルギー利用の声が高まっていますが、現在、自然エネルギーはどのくらい利用されているのかというと、枝廣さんによれば、なんと発電量全体の1%なのだとか。大規模水力発電(8%)と合わせても1割以下です。
自然エネルギーの良さは、無尽蔵と言っていい太陽光や風、地熱、波力といったクリーンなエネルギーを使えるということと、太陽光発電のように、家や公共施設などの屋根に設置できる分散型の発電ができることにあります。エネルギー資源・つくる場所・使う場所が至近距離にできる、つまり“地産地消”のエネルギーなので、送電に伴うエネルギーロスが少ないこともメリットです。
ところが日本国内では、火力発電や原子力発電のように、たくさん発電して、遠くに送電する集中型の電源が主役です。しかも、エネルギー資源についても、石油やウランのように、遠く海外から調達しなくてはいけません。
日本には、自然エネルギーを使った素晴らしい発電技術や、それを開発しているメーカーがあるのですが、そのほとんどが海外で活躍しているそうです。せっかくの自然エネルギーの技術が国内で広がらない理由は、既存の電力会社などが発電送電事業を独占していたいという思惑もありますが、自然エネルギーになると、いまより電気料金が高くなる(試算では1世帯あたり100〜200円/月のアップ)、特にたくさん電気を使う事業者にとっては大きな負担になるため、産業界の反発が大きいからなのだとか。
「食糧自給率40%、エネルギー自給率4%」
などという日本の事情を聞くと、残念な気がするし、将来的に不安になります。
それに、今回のような原子力発電所の事故が一度でも起こると、大変な被害が及んでしまうので、それらのコストを試算したら、長い目で見たときに本当にこのままでいいのかと考えてしまいます。
「いま、全国で57の市町村が“地産地消”の自然エネルギーを導入したいと挙手しています。みなさんそれぞれの家で、エアコンを切って、風を通して過ごせば、それだけで“我が家のエネルギー自給率”を上げることにつながりますよ」という枝廣さんの言葉を聞いて、なるほど!と思いました。
自然エネルギーの発電技術は日進月歩で、太陽光発電も従来のパネル型ではなくて、球体や布のようなタイプも開発されているのだとか。
「そのうち、洋服とか髪飾りで発電できるようになって、森ガールならぬ、“発電ガール”が登場するかもしれませんね」と、山村さん。
みんなが発電した電力を電力会社が、発電コストよりも高く買い取る“再生可能エネルギー法”が通れば、もっともっと自然エネルギーは普及していくのではないかと思います。制度をつくる政治にも期待したいですね。
「自分たちなりにエネルギーのことを考えてきたけれど、今回の震災で電気が止まってみて、電気を使っていることについて、いままで以上に自分の問題として感じることができました。情報が多過ぎて、何を信じればいいのかわからないし、原発について、反対とか賛成とか簡単に言えない部分もある。極端なところに行きつくことなく、いろんな人の意見を聞いていきたい。そうやって動いているなかで、みんなに伝えたいし、いっしょに考えていきたい」と、HARQUAのお2人。
反対、賛成と簡単に言えない。ほんとうにそうだと私も思います。なにしろ、この便利な生活を求めて、謳歌していたのは、私たち自身なのですから。
私たち自身が変わらなければ、何も変わらない、ですよね。
枝廣さんが、いま必要なのは、日本人が昔から知っている言葉、「足るを知る」こと、と言っていたのですが、この言葉も心に留めておきたいと思いました。
それから、「支援したい!」と「支援が欲しい!」をつなぐ動画サイト、
チャリTV の山田エイジさんも来られて、ハルコさんが『がれきのれきし』という素晴らしい曲を提供した、「瓦礫発電推進 プロジェクト」などを紹介してくださいました。チャリTVを見ていると支援したくなるプロジェクトがいっぱいあります。ぜひ一度見てみてください(*現在リニューアル中。7月後半公開予定)。
ということで、トークを中心にレポしてみましたが、もちろんHARQUAのライブも盛り上がりました。
後半のライブでは、フタキダイスケさんがギターで参加して、HARQUAお馴染みの曲はもちろん、ハルコさんが参加しているGOING UNDER GROUNDの曲、ハルコさんとキンカさんのそれぞれのアルバム、タイマーズのカバー…、そして、7月6日に発売されたばかりのキンカさんの『こどもれこーど 1』、『こどもれこーど 2』
からも演奏されました。 恒例のライトダウン&キャンドル点灯のひとときは、やはり特別な時間だったような気がします。
詳しくは、ハルコレートをご覧になってくださいね。
次回の「きこえる・シンポジウム冬」では、ぜひ、みなさんと会場でお会いしたいです。(編集スタッフ:温野)















最近のコメント