リゾート地として知られる軽井沢の「来し方」と「行く末」について想うことを、「いま」を暮らす住民目線の日常から、ぽつぽつとつぶやいてみたいと思います。
毎年1月になると想い出す・・・草軽電鉄の最終営業日のこと。
とは言え、自分自身に当日の実体験の記憶がある訳ではないのです。
その日、草津温泉で8mmカメラによる撮影をされていた神奈川県在住の桑原昇一さんから伺ったお話が、私に疑似体験を与えて下さっているのだと思います。
昭和37年1月31日。
最終営業日の上州三原駅の様子を、プレスアイゼンバーン刊「草軽電気鉄道」に掲載された1枚のポートレートで垣間見ることができます。
当日は前夜からの吹雪で、改札口の上に張り出された上下4本のお別れ運行は叶わなかったのです。
上州三原駅から、草津温泉駅から、それぞれ朝一番の始発が出発するが、どちらも谷所の駅で立ち往生してしまいました。
結局下り列車は草津温泉に行かれず、谷所で止まったままになったきりでした。
下り機関車が、草津温泉駅で待機していた二番列車用の客車を引いて戻り、上りの上州三原行きに重連しての特別編成で谷所を出発しました。
しかし、降り止まぬ雪に何度も除雪を繰り返し、必死の思いで上州三原駅に到着した時刻には、周囲は闇に包まれ始めていたとのこと。
写真は軽井沢叢書刊「草軽電鐡五拾年誌」。
和装丁の本と、「付録」として草軽電鉄の貴重な走行音を収めたレコードが付いていました。
りんどう文庫の大久保さんによると、「桐の箱に入っていたと思う」とのことでしたが、箱は見つかりませんでした。
もうひとつの「付録」として、草津温泉駅の入場券があったのですが、この本とレコードを入手した際には紛失されていました。
その後、入場券は縁あって、偶然にもとある方からお譲り戴き、ようやく発売当初の一式が揃ったのでありました(箱があったとすれば箱のみ欠品ですが)。
この付録の入場券は営業当時の実券ではなく、廃線から10年近く経過して書籍が発行される折、付録用にと関係者によって用意されたレプリカなのです。
実券は稀にオークションで出ることがあるのですが、常に高額な落札価格になってしまうので、残念ながら簡単には手が出せません。
レコードジャケットに写っているお別れ列車は、実は最終営業日の姿では無く、最終日が余りに過酷な天候となってしまったことに配慮したのか、同年3月27日に改めてセレモニーとお別れ運行が行われた、その時の写真です。
今年で草軽電鉄の軽井沢側路線の廃止から50周年。
草軽交通さんに奮起して戴き、是非記念行事を企画・実行して戴きたいと心から願うばかりです。
この乗車券は当時の実券で、この記事にある最初の写真に写る時空で発行された、大変貴重な、最終営業日の発行券です。この切符を持って改札を出れば、そこには「さようなら」のプレートを飾った、あの日の草軽電鉄が待っていたはずです。
草軽を愛する多くの皆様からも、軽井沢町と草軽交通さんに、是非ともイベントを望む熱い声を届けて頂けたらと思います。
横浜生まれの信州育ち。独特の歴史を持つ軽井沢に惹かれ、定住して13年。本業の傍ら、ボランティアとして開局当初よりFM軽井沢で番組制作に取組み、地域コミュニティへの話題を提供中。
07.11軽井沢を走っていた小さな軽便鉄道、草軽電鉄が姿を消してから
06.01今年は草軽電気鉄道が軽井沢から姿を消して半世紀の節目を迎えて

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みなさまからいただいたコメント
カラマツ さん()2010.01.28
はじめまして
草軽の存在を知り、5,6年前に二度上駅跡を探しに行った事があります。
熊が出そうでした。。。。
以前の記事で、映画「山鳩」に触れていましたが、
来月、CSの衛星劇場で放送されますよ!
私も、かねてから見たかった映画です。昨年も映画館で上映されたようですが、
見逃しました。ただ、CSなので今回も残念ながら・・・です。
ところ、草軽交通の公式資料室の「映画に登場」は間違いだらけですね。
「マダムと女房」とありますが、「路上の霊魂」(大正10年)の間違いだと思います。
「彼女はいやといいました」は、昭和8年→昭和10年 タイトルも正確には「彼女は嫌と言ひました」
「カルメン故郷に帰る」は、昭和25年→昭和26年
・・・実際のところ、我国初のカラー映画ではないのです。
昭和32年「月はとっても青いから」は、昭和30年「月がとっても青いから」
「山鳩」は、昭和34年→昭和32年
公式なら、正確に記してもらいたいものですね。
遼 さん(長野県・男性)2010.01.29
カラマツさん、はじめまして。ようこそお越しくださいました。
カラマツさんは熱心な映画ファンとお見受け致しました。
「山鳩」は軽井沢の小瀬温泉駅を舞台にした映画ですので、軽井沢住民としてはもっと応援したいのですが、「カルメン故郷に帰る」のように家庭での鑑賞ができない状態で残念です。
東宝さんには何度も書き込みでお願いしたのですが、その都度「今のところは・・・」とのお返事です。
「山鳩」は昨年の秋ごろ、神保町シアターというところで掛った様ですね・・・告知に気付いた時には既に終わってしまっておりました。
私もCSは観られませんが、放映情報を有難うございました。
どなたかCSを録画して下さらないでしょうかねぇ・・・うぅむ、早速知り合いを当たってみなくては。
線路跡の探索にも、いつか出かけてみたいと思っています。
草軽の記事は折に触れて書いて参りますので、また是非お越しください。
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