リゾート地として知られる軽井沢の「来し方」と「行く末」について想うことを、「いま」を暮らす住民目線の日常から、ぽつぽつとつぶやいてみたいと思います。
先ごろNHKでドラマが放映され、話題になった人物、白洲次郎氏。氏が晩年まで理事長を務められ、その運営に心血を注がれた場所が、軽井沢ゴルフ倶楽部です。
創立当時の精神を今に引き継ぎ、「任意団体」として存続しているこのゴルフリンクスは、完全なるメンバーシップコースであり、時の総理であっても、メンバーで無いことを理由に入場が許されなかったという逸話は有名です。
軽井沢の避暑地としての歴史が特別なものであったとしたら、その核心ともいえる部分を担ったであろうこのゴルフコースに、私のような一般の町民も立ち入ることを許される機会があります。それは、年に一度、ゴルフコースのシーズンが終わり、クローズした翌日と翌々日に開催される「軽井沢町民ゴルフ大会」の二日間です。
二日間で200名余りの町民ゴルファーが参加して、日本の歴史の裏舞台にもなったであろうこのコースで和睦と競技を楽しむ、夢の様な時間です。申し込みが殺到し、厳正なる公開抽選にて参加の可否が決められていますので、残念ながら参加できないこともあります。幸運にも参加が認められた今年、プレー当日の朝7:00にコースに集合し、組み合わせの発表を待ちました。
当日は霜が降りてしまい、朝7:00には既にコース整備の方がグリーンのメンテナンスをされていました。当初の予定から45分遅れて競技が開始されるとアナウンスがありました。
開会式の後、青空の下、いよいよ最初のパーティが1番ホールのティをスタートしていきました。
スタートホールのティグランドを横から見下ろす様にして、クラブハウスのテラスがあります。理事を務めておられた頃の白洲次郎氏は、壁に掛った大きな時計の下にいつも座って、腕を組み、マナーの悪いプレーヤーに睨みを利かせていたそうです。「素振り禁止」「PLAY FAST」・・・誰であれ、メンバーには常に対等に接しておられたと伺いました。
氏はまた、親しいゲストを迎えると、スタートホールとは違う側のテラスに座って、9番ホールを眺めながら歓談されることもあった様です。(テラスからの景色は上の写真の通りです)
コースを歩きながら、白洲氏の足跡を今に残す遺構は無いものかと目を配っていました。クラブハウスのラウンジに飾られた倶楽部主催の様々な大会のカップの中に、「白洲次郎メモリアル杯」という名前を見つけました。また、INコースのスタートホールである10番ティの右前方に植えられている桜の古木の根元に、メモリアルプレートを見つけました。
この桜の木は、白洲次郎氏が自らの手で植えられたものだそうで、「次郎桜」と呼ぶ人もあるそうです。
コースはシーズンの終わりにも関わらず、落ち葉でボールが隠れるようなこともなく、非常に高いレベルに維持された超高速グリーンには、参加した県のアマチュアチャンピオン、シニアチャンピオンも手を焼いたに違いありません。
白洲次郎氏が政治の世界でも活躍されていた時代、このゴルフ倶楽部には一体どのような先達が訪れ、こうしてここを歩いたことかと想像すると、身の引き締まるような想いがしました。
帰りにはさんざん迷いましたが、記念にと白洲次郎氏の書かれた「PLAY FAST」の文字があしらわれた軽井沢ゴルフ倶楽部のポロシャツを求めました。
「PLAY FAST」とは、ゴルフコースで良く見かける言葉ではありますが、いわゆる「きびきびとプレーをしましょう」という意味です。白洲氏は自らコースでプレーする際、草むらにボールが行ってもキャディさんには探させず、「ロストボールだ」と言って新しいボールを出すと、迅速にプレーを進めておられたそうです。歩くのが遅いメンバーには「もっと早く歩け!」と怒鳴り、林の中から狙う友人にも「そんなところから狙ったって入りゃしないよ!早くしろ!」と急かしたとか。
ポロシャツのご利益があってか、結果発表では幸運にも優勝の栄誉を頂くことができました。
背筋を伸ばして、「PLAY FAST」の言葉を胸に1年を過ごし、来年の秋には再び、白洲氏の息吹を感じられるこの場所に戻って来たいと心から思いました。
横浜生まれの信州育ち。独特の歴史を持つ軽井沢に惹かれ、定住して13年。本業の傍ら、ボランティアとして開局当初よりFM軽井沢で番組制作に取組み、地域コミュニティへの話題を提供中。
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みなさまからいただいたコメント
鈴木万由香 さん(東京都・女性)2010.02.11
おひさまスタイルでブログを書かせて頂いている鈴木万由香と申します。「軽井沢ゴルフ倶楽部」というタグに惹かれて辿り着きました。
星崎さんの文章から、プレー当日の引き締まった心持ちや、清々しい空気、、そして白洲氏がいらしたころの匂いまでもが伝わってくるようでした。私はまだゴルフ歴一年のビギナーですが、すっかり夢中です。かつて私自身がそうであったように、ゴルフに「環境破壊」「金持ちの道楽」などあまり良い印象をお持ちでない方も少なくないでしょう。けれど、実際にやってみるとその奧の深さや、軸となるすばらしき精神に感動するばかりです。
絵描きの父は、これまた正にゴルフバカで、軽井沢に移住しました。アブラカダブラというギャラリーを開いております。もしご縁があれば訪ねてやってくださいませ。
また私もラジオのパーソナリティを生業としています。いつか一緒に番組をやってみたいな、、と夢が広がっています。
長くなりましたが、どうぞよろしくお願い致します。
遼 さん(長野県・男性)2010.02.11
鈴木万由香さん、コメントを有難うございます。
鈴木さんのプロフィールから、ラジオに携わっていらっしゃることを知り、ブログを拝見して、コメントも書かせて戴いたことがありました。
どうぞ宜しくお願い致します。
お父様は在軽井沢とのこと、是非見つけてみたいと思います。きっと町民ゴルフにも毎年参加されていらっしゃるのでは?
私の場合、ラジオはお仕事にならないレベルですので、お恥ずかしい限りですが、軽井沢で放送している限りは、やはりここに拘ったプログラムをと思いながらぼつぼつと取り組んでおります。
自分の番組を持たせて戴いておりますので、宜しければ一度お聴き頂けますと幸甚です。
サイマルラジオ放送というサイトから、FM軽井沢をお聴き戴くことができます。
http://www.simulradio.jp/
鈴木さんの番組も、是非教えて下さい。
勝手に番宣しますと、2/14(日)の15:10頃~16:00頃まで(生放送枠なので少し流動的)、軽井沢・丸山珈琲社長の丸山健太郎さんとの対談番組があります。
ゴルフは自然との闘いと言いますが、実は自分の内面と向き合う、人生の縮図のようなゲームですよね。
ハザードに打ちこんでしまっても、それは他人の所為ではなく全て自分の責任ですから、どんな苦境からでも、次のベストを選び抜いて決断し、自ら前進していかなくてはならない・・・。
そして、決まってなかなか思う様には行かない。
でも、次の一歩を自分で選ぶ大いなる権利があり、結果がすぐに出るというダイレクト感がたまりません。
果たして・・・、スコアはお天道様だけが知っているというところです。
是非、軽井沢で番組をご一緒する機会を作りましょう!
(長文失礼致しました)
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